今回で、このシリーズを終了させていただきます。最後に、腸内環境を整えるための方法を少しだけご紹介します。

　まず、良好な腸内環境を維持するための基本的な取り組みは、“日々の食事”です。偏食をなくしましょう。意外と好きなものを多く口にしていたり、食べているようで苦手なものはあまり口にしていなかったりするものです。1週間程度で構いませんので、自分が口にしたものすべてを記録してみてください。食事だけではなく、間食や飲み物もです。そこから見えてくるものが、沢山ありますよ。心がけとしては、医者から制限されない限り、なるべく地のもの、旬のものを口にするようにしてください。

　腸内洗浄ですが、実施しても腸内細菌叢／腸内フローラを改善できるわけではありません。1,000兆はいるであろう細菌をほんの一時的に1兆～10兆くらいに減らせるかもしれませんが、数日後には元の状態に戻ってしまいます。

　腸内環境を改善する目的で一番有効なのは、日和見菌を味方につけることでしょう。腸内の細菌のうち大多数を占める日和見菌を良い状態にすれば、善玉菌と競合して腸内環境を良くしてくれるわけです。

　プレバイオティクスの一つで、ある細菌の破砕液（その菌自体は死んでいます）を食餌に与えたところ、腸内の善玉菌数が増えたという実験データ（論文）を知っています。少なくとも皆さんのお手元に届ける製品は、裏付けられた情報があるものから選定し、その中から更に選りすぐったものを選別し、提供していこうと取り組んでいます。

ブラックボックスと言われる場所（Ⅰ）：小腸のつくりと大腸のつくり
ブラックボックスと言われる場所（Ⅱ）：小腸と糖尿病との意外な関連
ブラックボックスと言われる場所（Ⅲ）：フィルター担う小腸　“経口免疫寛容”
ブラックボックスと言われる場所（Ⅳ）：食物アレルギー
ブラックボックスと言われる場所（Ⅴ）：腸管免疫系と腸内細菌数
ブラックボックスと言われる場所（Ⅵ）：プロバイオティクス？いや、プレバイオティクスでしょ！
ブラックボックスと言われる場所（Ⅶ）：腸内の細菌勢力図と乳酸菌
ブラックボックスと言われる場所（Ⅷ）：腸内細菌叢／腸内フローラの形成と時期
ブラックボックスと言われる場所（Ⅸ）：ミトコンドリア・イブと土地のもの

ブラックボックスと言われる場所（Ⅹ）：今回のものです。

（終わり）
ありがとうございました。また新たなシリーズでお会いしましょう。