名古屋市緑区 漢方専門薬局

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漢方療法の原典

漢方の古典医学について

漢方医学の原典になる古典医学書に、『素問』『霊枢』『傷寒論』『金匱要略』『神農本草経』があります。

素問(そもん)について

病因・病理・病症・判定法や養生法等が掲載されており、『五臓六腑のどこで・気・血・水(津液)のうちの何が、不足・停滞・有余どうなっているか』が学習できます。
また、自然界の季節や一日の流れとそれに伴う日常の養生法も記載されています。

霊枢(れいすう)について

霊枢(れいきゅう)について素問のように生理・病理・病症が記載され、鍼灸理論の脈と経絡や治療穴(ツボ)や鍼灸の治方等が記載されています。
日本の漢方医学の先生の多くは漢方薬の記載がない為、素問・霊枢は学習されていません。

傷寒論 (しょうかんろん)について

傷寒論 (しょうかんろん)病の変化の仕方(進行状態)やその時の状態や症状に合わせた漢方薬の用い方などで構成されています。
(風邪が、悪寒から始まり、進行して咳、嘔吐、下痢等への進行状態や処方の変更等)

金匱要略(きんきようりゃく)について

慢性病(婦人妊娠、産後、婦人雑病、咳嗽、嘔吐 等々)の病症と漢方薬が掲載されています。
(西洋医学治療法の病名イコールこの薬、に近い漢方薬の使い方)

神農本草経(しんのうほんぞうきょう)について

365種類の記載があり、上薬(120種類)・中薬(120種類)・下薬(125種類)に分類され、生命を養う(上薬=毎日使用)健康維持(中薬=弱い所を補う)病を治す(下薬=治療の時だけ用い、常用しない)それぞれの生薬が記載されています。

  • 上薬

    例:人参(朝鮮にんじんの根)、決明子(はぶ草の種子)、枸杞(くこの果実・茎・葉・根の皮)、甘草(かんぞうの根(甘味料))、菊花(きくの花)、大棗(なつめの果実)、山薬(ながいもの肥大根)、牡蠣(かいがら)、桂皮 (桂の幹や木の皮)、陳皮(みかんの果皮)等々

  • 中薬

    例:葛根(くずの根)、乾姜(しょうがの根)、山梔子(くちなしの果実)、当帰(とうきの根)、芍薬(しゃくやくの根)枳実(だいだい・からたちの未熟果実)、桃仁(ももの種子)、杏仁(あんずの種子)、石膏(天然含水硫酸カルシウムの鉱物)、苦参(くららの根)等々

  • 下薬

    例:大黄(だいおうの根茎 下剤)、鉄(金属)、附子(ヤマトリカブトの魂根)、蟹(かに全体)桔梗(ききょうの根)等々

益久薬局は漢方薬だけでなく鍼灸知識からの観点からも行っております

中国漢方では、正しい体の生理、それが病んだ時の病理、病症等が書かれている『素問と霊枢』を学んだ上で、漢方薬の用い方が書かれている『傷寒論』『金匱要略』それに用いる生薬を 『神農本草経』で学びます。
日本漢方では、『素問』『霊枢』を学ばず、また個々の生薬も学ばず、一般的に市販されている『漢方薬の解説本』や『傷寒論』『金匱要略』だけを学んで漢方薬を決めていることが殆んどです。

益久薬局では、素問・霊枢から生理・病理等を考えた上で、傷寒論・金匱要略で漢方薬を決定しております。 素問と霊枢も、日々養生法等相談に活用しています。