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EBMという考え方 (Ⅴ)

 今回で、【EBMという考え方】のシリーズを終了させていただきます。【EBM】とは【Evidence-Based Medicine】の省略です。『根拠に基づいた医療』という意味であり、最善の治療を行うためのものです。そのためには、情報を提供する側は特に、情報を受け取る側も、その時点での正確な知識を持っていないといけないことになります。日々、新たなことが発見されていく世の中です。少し前の情報が、まったく新しいものとなってしまうこともあります。広く一般的に浸透していた考え方であっても、違っていた(新しい考え方の方が妥当性が高く、刷新される)ということさえあるのです。そうなると、何かを選択する際に、自分自身の価値判断が非常に色濃く・大きく影響してくるのです。

 ご自身の価値判断は、何でしているのでしょうか。情報の出処はどういったものなのでしょうか。「ヒト」という種は、多くの場合、目にしたものの中で、自分が気になったものにしか関心を寄せないと言われています。現代生活の中では、広告やテレビCM、雑誌、インターネットなどが主要な情報源でしょう。その全てが、偏っている表現を伝えることができるものであるということを常に念頭に置いた上で価値判断をして欲しいのです。ここに書いてあることも、表現の自由が許されている日本であるからこそ、書けるものです。世間に溢れかえっている情報を今一度省みて、何を根拠にしているのか、その情報の妥当性はあるのか、自分自身の価値観に適応するものなのか等を考慮し、自分自身で選択していかなければならないのです。

 分からないことや知らないことは誰であってもたくさん有ります。だからこそ、専門家や豊富な知識を持っている人に聞く訳です。しかし、いくら専門家であっても、知らないことがあるのです。常に情報を取り入れて、勉強していかなければあっという間に置いて行かれてしまう時代になりました。医学の専門家であっても、細分化されてしまった専門領域以外のことは意外と知らないことが多く、過去の知識のままで止まってしまっていることさえあります。

 一つの判断基準として、食品・医薬品において、当局は【EBM】を提唱します。当局で紹介する製品に関しても、根拠がハッキリとしているものだけ厳選して取り揃えています。そして、少なくとも、取り扱っている製品の最新情報を常に把握しつつ、ご来局・相談いただける方に、より良いカウンセリング・アドバイス等を提供できる状態で居続けます。

 今回のシリーズは短編ですが、これまでのものを以下にまとめておきます。
   EBMという考え方 (Ⅰ) ~ 情報過多の現状と価値判断
   EBMという考え方 (Ⅱ) ~ EBMとは、今後の健康食品の行方は?
   EBMという考え方 (Ⅲ) ~ EBMに関する重要ポイント
   EBMという考え方 (Ⅳ) ~ FDAの体制と『医食同源』、漢方とEBMの関係
   EBMという考え方 (Ⅴ) ~ まとめ(今回のものです。)

 最後に、今一度、ご自身の価値判断基準を見つめてみてください。【EBM】に基づいていますか?何らかの点で盲信していませんか?データは客観的に判断されたものがあるのでしょうか、それとも主観的に判断されたものだけでしょうか?ご自身に本当に必要なものなのでしょうか?効果はどのように判定されたものなのでしょうか?ある程度、ご自身で調べてみてください。その上で、専門家に問い合わせてみましょう。更に詳しい情報が得られれば、安心できるかもしれません。信頼のおける、ご自身の身になって考えていただける医療機関、薬局が見つかることでしょう。

(終わり)