病因 《 外邪 》 : 五臓からみた外邪の影響
各臓の“虚”によって侵入しやすい外邪があり、各臓によって出る症状も異なります。
(影響を受けやすい外邪から順に列記してあります。)
肝虚体質
風:
最も風の影響を受けやすく、半身不随や手足の麻痺を生じやすい。
顔色が青く、特に目の下も青くなる。筋肉のこわばり、みぞおちや脇がつかえる。
のどが乾き、気分が滅入ってよく悲しみ、また怒ったりする。性欲がなくなる。
寒:
肩が動かしにくくなる。ため息をつく。胸中の痛み。かなしばり。
暑:
体が熱く、脇の下がはり痛む。めまい。皮膚固く麻痺する。あぶらくさい。
燥:
筋が痙攣(引きつり)。神経痛。
湿:
あまり影響を受けない。
心虚体質
暑:
人事不省に陥り、手足は冷えあがり、嘔吐、下痢をする。
体が熱く、口渇し、頭痛。喘満。こげくさい。
寒:
狭心症。胸痛。胸苦しい。
風:
顔色も唇も赤く、唇が乾燥しカサカサになる。舌の先が赤くなる。うわごと。
イライラして真っ赤になって怒る。ひどいと軽快に話せなくなる。卒中で即死。
湿:
動悸。息切れ。めまい。
燥:
あまり影響を受けない。
脾虚体質
湿:
食欲がなくなり、下痢。身体が重い。小便不利。
汗が出て、関節や身体が重く、手足の関節が腫れたり痛んだり、動かし難い程度から、うずき痛むものまで色々あります。また夕方に痛みが激しくなることも多い。
暑:
体が重だるく、昏睡状態になる。手足が冷える。嘔吐、下痢して発熱する。
寒:
食欲がなくなる。下痢。口中に唾液が多くなる。手足が冷える。
風:
顔色が黄色く、特に鼻の上が黄色をおびる。食欲なく、身体や手足が重だるくなる。
皮膚の少し深い所にジュクジュクした潰瘍性の皮膚病。顔や肌がピクピクする。
燥:
「脾は湿をにくむ(悪む)」と言い、元々乾燥を好むので、乾燥した環境の方が調子がよい。
肺虚体質
寒:
体表面を温めるために、体をブルブル痙攣させ悪寒がしてから、発熱し、流感・風邪症状を呈します。
風が侵入した時より激しい症状が出ます(傷寒)。
風:
顔色が白くなり、時々咳をしたり、息づかいが短くなる。夜になると症状が激しくなる。
発熱、多汗、悪風、頭痛、節々の痛みなど、風邪の症状。
燥:
痰がほとんど出ない、空咳がひどく、息苦しい。発熱。肺炎や喘息。
暑:
体が熱く、胸苦しく、咳がひどく、痰も出る。心臓痛。寒気がしたり、手足がなえる。
湿:
肺は、少し湿気を帯びている方が調子が良いが、湿気が過剰になると、痰。
呼吸困難。むくみ。小便出にくい。下痢しやすい。
腎虚体質
燥:
顔や耳が黒ずんでいる。足腰が痛む。背骨が痛んで長く立っていられない。
耳鳴り。足冷え。骨や筋肉の痛み。小便が出なくなったり多く出たりする。
精力もなく なる。
風:
風によって燥になるので燥と同じ症状を呈します。
寒:
下痢。腰が冷える。腰重だるくなる。夜間尿。冷え込み状態(中寒) 。
湿:
体が重くだるい。水ぶとり。暑がりの寒がり。根気が無くなる。
暑:
下腹部が張り、尿量が減少し、排尿痛。