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ブラックボックスと言われる場所(Ⅸ)

 人類の起源をご存知ですか?様々な説はありますが、母系遺伝とされるミトコンドリアの起源を辿っていくとアフリカのある女性に行き着くそうです。ミトコンドリア・イブといわれる人類の起源となる女性は、アフリカ発祥なのです。

 赤道近くで発祥したと考えられるヒトは、高温で成長できる穀物や芋、豆、果物、木の実、野菜類を食べて消化し栄養としてきたのでしょう。そうすることで、その土地で生育した食べ物に適した腸内細菌を宿したはずです。そうでなければ、自然淘汰され、発達・進化はしなかったでしょう。腸内細菌ヒトの免疫機能に作用し、その土地の微生物や食べ物に適した正常な免疫力を作り上げるのです。

 その内、食糧不足化のか土地不足なのか、環境の変化に対する高度な適応力のためかは分かりませんが、一部のヒトたちは寒く乾燥した北の土地へと移動を開始しました。しかし、気候が異なる場所では、それまで主食としていた稲や野菜が育たないため、寒冷地でも成長できる麦類を食べ、不足したエネルギー、ミネラルやビタミン類を肉や乳製品で補っていくことにしました。小麦を消化し、牛乳の乳糖を分解する酵素を大人になっても持ち続けることができるヒトが環境的に有利となり、小麦や肉・牛乳を消化することができる腸内細菌を持つことができたヒトが生き残っていくことになったわけです。

 生き残ったヒトは子孫を作り、その中で同じ環境・食性に適応できたヒトが繁栄していく。適応できなかったヒトは自然淘汰により、自然界から排除されてしまう。厳しい生存競争が繰り返された結果、現在、その土地に住まう多くのヒトたちは、その土地に合った食生活に適応した腸内細菌叢/腸内フローラが保たれてきたはずです。

 正常な腸内細菌は子供たちの正常な免疫力を発達させ、過剰なアレルギー反応を抑えていることが解ってきました。日本の風土・気候では日本人として遺伝子的に合った食べ物を食べ、日本の土地に適した腸内細菌を腸内で発達させ、それらの腸内細菌からの適切な刺激を受けて日本の土地に適した免疫力を発達させる必要があると思いませんか?

 正常な腸内細菌を発達させ維持するためには、抗生剤の過剰使用を避け、殺菌作用のある保存剤などの食品添加物や食品に残留する殺菌剤の摂取をなるべく避け、砂糖の過剰摂取や元来日本の土地ではあまり存在しなかったチーズなどの微生物の多食を避け、正常な腸内細菌を増やすように勤しむべきです。

 日本で古来から使われている味噌漬物にも乳酸菌はいます。わざわざヨーグルトを買って食べなくても乳酸菌は摂取できますし、自分の腸内細菌叢/腸内フローラに近いものを摂取できるはずです。元々定着していないヨーグルトに含まれている菌は毎日のように食べ続けないと効果は得られませんし、一時的にヨーグルトを食べるのを止めてしまうと直ぐに腸内から押し出されるのか、居なくなってしまいます。

 根付かない菌を一生懸命お金を出して取り込もうとしている方がたくさんいらっしゃいます。健康のためと思っているのであれば、もう一度お考え下さい。有用と思われる菌を腸に届けることは別に害はありません。益としたいのであれば、ずっと続けてください。ただし、もっと別の面に目を向けてください。乳脂肪の量です。ダイエット目的であれば別のものが良いですし、美容目的なら量を考えてください。脂肪の塊を豪快に飲んでいるのと変わらないのですよ!

 何より、ヨーグルトなどは身体を冷やします。冷え性や便秘の方にはお薦めできません。広告・宣伝は一面だけを強調することが多いです。また、腸内環境の根本的な改善にはつながりません。一時的なものとしては、確かに改善されることもあります。しかし、新たに摂取した細菌が腸内に定着することは、新生児以外、まず有り得ないでしょう。この際、基本的な食生活を今一度、考えてみてください。

つづく)     ブラックボックスと言われる場所(Ⅷ)はこちらから