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サイレントキラー(Ⅲ)

 今回は、具体的に【高血圧】とはどういうものなのかを触れてみます。実は、血圧の最高/最低どちらかの数値が基準値より高い状態が所謂、【高血圧】の状態です。

 どちらの数値も心臓血管の力加減を表しているものですので、一方が正常値だから安心というわけではありません。両方とも正常値にあることが重要です。

 では、そもそも何故【高血圧】になってしまうのでしょうか?実は諸説様々な原因があるとされていますが、ハッキリと因果関係が解明されているものは氷山の一角、全体の一割ぐらいだとされています。困ったものだ...。

 原因不明のものを本態性高血圧と呼んでおり、検査数値としては現れてきません。体質とかで片付けられてしまったり、取り敢えず血圧降下薬を処方されてしまったりしてしまう類のものです。しかし、これが【高血圧】の症状を呈する方たちの大部分を占めているのですから、何とも言い難い。

 ハッキリと原因が判っている【高血圧】は、二次性高血圧と呼ばれており、腎臓病やホルモン異常など原因となる他の病気や代謝異常があり、その結果【高血圧】を発症するものです。原因となる病気などが改善されれば治まります。

 【高血圧】になる原因が判っているものとして、遺伝環境因子があります。遺伝は、体質とも言えるかもしれませんね。すべてが解明された訳ではないのですが、親子間での罹患率を見てみると「親が高血圧であるほど、子供は高血圧になるリスクが増大する」ということが言えそうです。

 環境因子で声高に叫ばれているものが、塩分(ナトリウム)の取り過ぎですね。ナトリウムは、塩(えん)の中で血圧を上げる働きがあります。そして、食塩の主成分が塩化ナトリウム(※精製されたものであればあるほど、その割合は高くなります。ここでは、食品の意味で書いていますが、物質名では、一般的に「食塩=塩化ナトリウム」です。)ですので、取り過ぎれば血圧が上昇してしまいます。

 かといって、全く無い状態では生命を維持できませんので、絶ってしまうのは間違いです。濃い味が好きな方は控えめに、薄味に慣れている方は普段通りに気を使っていただければ良いかと思います。因みに、体内にナトリウムが増えると交感神経という興奮性の神経が活発化し、脳神経の反応も高まります。その結果、血圧が上がる。更に、喉が渇きやすくなり、水をたくさん飲むことで血液中の水分が増加し、血液量が増加します。血液量が増えれば、血管の内圧が上がり血圧が上がってしまうという訳です。

 まだ他にも原因がありますが、少し長くなってきてしまいましたので、次回に続きを書かせてもらいます。

つづく)      サイレントキラー(Ⅱ)はこちらから。