ガンは役立たず?(Ⅴ)
前回述べた長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)ですが、実は飢餓状態やカロリー制限によって活性化されるとのことです。他にも赤ワインに多く含まれるポリフェノールの一種であるレスベラトロールも活性化することがマウスの実験により分かってきたのですが、ヒトの体重換算で単純計算すると、1日にボトル100本というとんでもない数になり、長寿どころか、重度の肝障害やアルコール依存・中毒、脳障害、死を招く結果などに繋がることになってしまいそうです。
「何か」が遺伝子に働きかけるというものが他にもたくさん見つかっています。中でも遺伝子による細胞の初期化は有名ですね。山中伸弥教授が発表し、ノーベル賞を受賞した「iPS細胞」。
初期の「iPS細胞」を作成する際には、oncogene(オンコジーン)と呼ばれるガン遺伝子が使われていました。新しい手法では安全性を高めるため、ガン遺伝子は使用されていないようですので、ご安心ください。それにしても、ガンの研究が進んでいなければ、「iPS細胞」の発見には到らなかったでしょうし、当然ノーベル賞も無かった訳です。
他にも東京大学では胃ガンに関わる研究で「細胞の初期化」が遺伝子レベルで自然に起きていることを突き止めたとのことです。CDX1という物質が胃に腸の細胞を作ってしまう腸上皮化生という現象を引き起こす原因物質とのことです。胃ガンや胃潰瘍の原因となるピロリ菌の働きに着目し、追究していったようです。
決して、自分がガンになりたいわけではありません。しかし、ガン細胞の研究を進めることで分かったことはたくさんあります。自分がもしガンに罹ってしまったら、『AHCC』や『十全大補湯』を使います。他のものも併用しながら。正直、個人的にはあまり化学療法は使いたくないです。そもそもその前に、ガンになりにくい体質作りをします。食事・運動・睡眠などのバランスと自然免疫力・自己治癒能力を高める方法考えながら…。
蛇足ですが、物事を常に両面から捉える目を持ちたいと思っています。物事には、良い面もありますが、良くない面もある。どちらも兼ね備えているものが殆どだと思っています。そのような物事の中からでも、ホンノ少しでも皆さんの何かのお力になれればと思って日々過ごしています。以上を持ちましてこの章を締めくくりたいと思います。ありがとうございました。
ガンは役立たず?(Ⅰ)~ヒーラ細胞について
ガンは役立たず?(Ⅱ)~テロメラーゼについて
ガンは役立たず?(Ⅲ)~ガン遺伝子について
ガンは役立たず?(Ⅳ)~長寿遺伝子について
ガンは役立たず?(Ⅴ)~遺伝子の初期化について…この回です。