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こむら返り(Ⅴ)

 前回は【筋肉のつくり】をお話させてもらいました。暴走してしまってすいませんでした。今回はもう少し具体的でわかりやすいお話になるように心がけますので、お付き合いください。

 今回は【筋肉の動き】を前回と同じ図を使って説明させてもらいますね。

 現在のところ、筋肉が動くのは「滑り説」と呼ばれる学説が主流です。一番最後まで大きく拡大した図に矢印を書き込んでおきました。
 赤い膜の内に青い毛の生えた肌色に近いオレンジ色のものがありますね。実際の色ではありませんが、説明のために勝手に色分けしました。

 赤い横の膜アクチンフィラメントとよばれるもので、縦の膜Z膜と呼ばれるものです。Z膜からZ膜の間の部分を『筋節(サルコメア)』と呼び、ここの長さが変わることによって筋肉全体が伸び縮みすることになります。因みに、このZ膜があることによって、骨格筋を拡大して見てみると横縞が入っているように見えるのです。横縞の模様が見えることによって、この種の筋肉は『横紋筋』と名付けられました。

 アクチンフィラメント内にある青い毛の生えたオレンジ色の部分ミオシンフィラメントと呼ばれる部分で、実際に筋肉が縮むには、ミオシンフィラメント青い矢印方向に動き、その動きと共にアクチンフィラメント赤い矢印方向に動きます。すると、一つ一つの筋節(サルコメア)が短くなることによって、筋肉全体が縮こまり、結果、関節を曲げることができるようになります。

 筋肉が縮む時にはエネルギーを使いますが、伸びるときにはエネルギーを使いません。リラックスしている時の筋肉はほぐれていますよね!だから寝ているとき、ヨダレが垂れやすいワケなんですが…。

 関節一つ曲げるのも大変ですね。ましてや運動は関節一つで成り立つわけではありません。全身エネルギーを使うわけなので、そりゃ、疲れもしますね。機会があれば、『筋肉痛がなぜ起きるのか』もご紹介させていただくことがあるかもしれませんが、今回は筋肉の動きのことなので割愛させてもらいます。

 筋肉の伸び縮みに関する原理の話は以上ですが、では、一体何が刺激となって筋肉は動いているのでしょうか?次回はまとめとともに【筋肉の動きと刺激】についてお話させてもらい、このシリーズを収束させていきたいと思います。

(つづく)