【高血圧】というのは、血管を流れる血液の圧力が常に高い状態で血管壁に負担をかけている状態ですので、常に刺激され続けている血管、特に動脈は傷みやすくなってしまいます。また、圧力をかけて送り出しているポンプ、《心臓》にも同時に負担をかけていることになるので、結果として疲労しやすい分、血管や心臓に障害をもたらすきっかけとなりやすい訳です。

　循環器系疾患（心臓や血管などの病気）の危険因子として知られているものがいくつかあります。

『代表例』
・高血圧　　　　　　　　　　・喫煙　　　　　　　　・糖尿病
・高コレステロール血症　　　・高齢（男性：60歳以上　女性：65歳以上）
・若年発症の心血管病の家族歴　など

　高血圧の状態が長く続くと心臓に負担をかけるので、心肥大になりやすくなります。また、高い圧力がかかってくる血管もそれに対抗するため血管壁を厚くして弾力性を失わせます。コレステロールが溜まりやすくなってくると、動脈硬化に拍車がかかる。そうなると、血流が滞りやすくなり多くの血液を必要とする臓器である［脳］や［心臓］に悪影響を及ぼす事態に発展していきます。

　因みに、成人の安静時の脳酸素消費量は1分間で脳細胞（脳組織）100gで3.5mlあるとされており、全身で使っている酸素消費量の約20％とされています。あの頭部の容積と身体全体の体積を比べてみると、非常にたくさんの酸素を脳が使用していることがわかりますね。そして、その酸素を運ぶ役割を担っているのが血液（赤血球）なので、高血圧はやはり怖いです。脳の血管が硬化していけば、脳梗塞のリスクも当然のことながら上がります。脳で硬くなった血管が破れてしまうと…脳出血。

　心筋（心臓の筋肉）に酸素と栄養を運ぶのは冠状動脈（冠動脈）で、この血管が硬くなると血液がスムーズに流れなくなり滞りがちになります。そうなると、血栓（血の塊）ができやすくなりますよね？その血栓が少し細くなった部分で血管を詰まらせてしまったら…これが心筋梗塞です。冠状動脈以外の場所で詰まって心臓が血液不足になると狭心症。まとめて虚血性心臓病と呼ばれています。心筋梗塞は、極めて早い処置が必要で、場合によっては、手遅れになったり、脳に大ダメージを残すことがあることで知られています。脳梗塞や脳出血などの脳の血管障害のことを脳卒中と言いますが、重篤な症状になる怖い疾患です。

　少しは、【高血圧】のことについて真剣に考えていただけるきっかけになって貰えればと思います。若いからといって安心などせず、蓄積されていくものですので、日頃からの不摂生を改める？ようにしていただければと思います。心配などない方は今後とも健康維持に邁進ください。

（つづく）      サイレントキラー（Ⅴ）はこちらから。