ガンというもの(Ⅱ)
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍とがあります。その内、悪性腫瘍のものをガンと呼びます。悪性と呼ぶのは、全身に転移して、その先で勝手に増えてしまい、他の正常な機能をしている細胞に悪影響を与えてしまうものだからです。
もう少し分かりやすく例えると、どこかで何かの影響でガンがある時に身体の中で発生してしまいました。ガンはどんどん自分の分身を生み出す力を持っています。そうすることで、発生した場所では大きな塊となっていきます。これが、「しこり」や「ポリープ」などと呼ばれるものです。ただ、必ずしも「しこり」・「ポリープ」=『ガン』ではありません。気になる部分があるのであれば、適切な検査をしてもらうために医療機関を受診してください。
増えたガンは分身を血液やリンパ液の流れに乗せて、別の部分へ引越しさせます。引越しをした分身は、どこか別の場所に行き着き、そこで増えようとします。増えることに成功すると、それが転移と呼ばれる現象になります。
最初、どこで増えたのか、実はガンにはそれぞれ特徴があります。そして、分身もその特徴を引き継ぐのです。そのため、肝臓でガンが見つかったからといっても、肝臓ガンとは限りません。最初に増え出したのが肝臓であれば、肝臓ガン。他の場所で増えたものが転移したのであれば、他のガンということになります。