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足腰の弱りはどこから?(Ⅴ) ~総括~

 足腰の弱りはどこから?(Ⅰ)では、ロコモティブシンドロームの概略をお話させていただきました。ADL(日常生活動作)」の話と「運動のメカニズムは一連の流れ」ということですね。

 足腰の弱りはどこから?(Ⅱ)では、「一連の流れ」とは神経伝達による“運動のネットワーク”ということで、中枢神経である「脳」との関わりを最初に触れました。この「脳」からの伝令で運動が成り立つわけですが、その指令の受け手である“骨”や“筋肉”に異常があると思うように運動ができません。つまり、思うように手足が動かないという状況になってしまうのです。(Ⅱ)では主に「骨」について書かせてもらいました。

 足腰の弱りはどこから?(Ⅲ)では、「ロコモティブシンドロームの主な症状」を知っていただくために、代表的な症状を例示しました。そこで、どの症状が重症化しても“歩行困難”な状態になってしまうということお伝えしました。症状が軽度なうちに改善策を練っていただきたいことと、自覚しなければ手の打ちようがないため「気づく」ことが重要であるということをお伝えしました。

 足腰の弱りはどこから?(Ⅳ)では、「ロコモティブシンドロームになってしまう【原因】と【予防】」について述べさせてもらいました。骨量の減少や転倒などの衝撃による骨折などにご注意願いたいこと、筋力の維持、肝・腎・肺との関係、食養生の大切さについて語らせていただきました。

 ここで、最後に申し上げたいことは、皆さんが「得た知識を実践して欲しい」ということです。知ったことだけで満足し、安心してしまう方が実に多いのです。ご自分の身体のことです。ご家族であれ、誰であれ、他の人はサポートしかできないのです。自分の体は自分で守っていくしかないのです。

 運動が良いと聞いたからといって、汗を垂れ流しにするようなハードな運動をするのは危険です。太らないように水分を控えるのは構いませんが、喉が渇いているのに水分を取らないのは脱水症状に陥る危険性があります。だからといって、スポーツドリンクをガブ呑みするのは間違いです。糖分もたくさん含んでいますしね。また、いきなり過酷な運動をしても、身体がもちません。ほんの少し負荷をかける程度で良いのです。持久力を徐々に高めていってください。

 また同様に、「骨」という言葉だけに反応して、大量に牛乳を飲むという行為もやめてください。特に冬場は。身体、特に腸を冷やしてしまう上に、脂質を摂り過ぎてしまう可能性が高くなります。御来局の方で御希望の方には詳しく説明させていただいていますが、インターネット上では誤解を招くおそれがあるので、差し控えます。ただ、これだけは・・・

 「カルシウムはあぶら(油・脂)と一緒に摂ると、身体に吸収しにくくなります!!」

 これは、事実です。そして、牛乳のおよそ半分は脂質。身体に吸収できるカルシウムは残り半分の水分に含まれているカルシウムのどの程度でしょうか・・・。錠剤も同様なことが言えます。カルシウムが良いと聞いたからといって、【カルシウムが多く含まれている食品=カルシウムがたくさん身体に取り込まれる食品ではない!ということをご理解ください。同じ食材であっても、フライにしたものと煮付けにしたものでは、吸収できるカルシウムの量は違いますよ!!

 蛇足ですが、カルシウムは骨を作るのにだけ重要ということではありません。骨はある意味、カルシウムの貯蔵庫なのです。もちろん身体を支える柱としての役割もあるのですが、運動の刺激を伝達するのにも、筋肉を伸び縮みさせるのにも、カルシウムが必要なのです。だからこそ、体中に骨がある。血液中に足りなければ、骨から借りてくるんです。不足している分を骨から溶け出させて補うのです。

 健康食に目覚めたからといって、どの青汁も一緒だとは決して思わないでください。植物にだって個性があります。含まれている有益な物質の種類がそれぞれ違います。そして、それを刈り取る時期でも。だからこそ、“旬の時期”や植物の“成長期”があるのです。そして、製法も重要ですね。熱を加えると変化してしまうものはたくさんあります。皆さんがよくご存知なのが、生肉ですよね。熱を加えると、色、味、硬さなど様々なものが変化してしまいます。青汁を作る際、余計なことをしていなければよいのですが…。多くのものは、加熱されてしまっていますよね。殺菌のことを考えれば、それが一番簡単で手軽だから。スーパーの惣菜や弁当のおかずでフライが多い一つの理由はそれです。

 くれぐれも、ご自身で納得のいくものをご愛用・ご愛飲ください。ご来局いただければ、楽しいお話がいろいろ出来るでしょう。今回はこれで、『足腰の弱りはどこから?』のシリーズを締め括らせていただきます。お読みいただき、誠にありがとうございました。  拝