病因 《 外因 》 : 燥
自然環境の風・寒・暑・湿・燥・火や細菌・ウイルスでも病気の原因になります。
ただし、“燥”にあたっても全員が発病するとは限りません。
燥が侵入し燥邪となり症状を発するのは、五臓の何処かに“虚”があるからです。
また、症状の出方も“虚”の場所や状態により色々変わります。
燥とは、空気の乾燥・肌の乾燥などの事です。
外気の乾燥は冬に多く、冬は強風によっても乾燥を生じやすく、外から燥邪が侵入する場合と、
運動や激辛の辛味の過食等(不内外因)で発汗しすぎ、体の内側から直接乾燥を進行させ、燥邪を生じさせてしまう場合とがあります。
燥邪で最も燥の影響を受けやすいのは、肺の乾燥です。
次に肝の血の水分が乾燥気味になりやすいので、肺だけでなく肝臓にも気を配りましょう。
腎は水を調整する作用がありますので、乾燥した状態では調子が悪くなりがちです。
肺:
空咳がひどく、痰がほとんど出ない、息苦しい。発熱。
病名でいえば肺炎や喘息。
肝:
筋が痙攣(引きつり)。神経痛。
腎:
顔や耳が黒ずんでいる。足腰が痛む。背骨が痛んで長く立っていられない。
耳鳴り。足冷え。骨や筋肉の痛み。小便が出なくなったり多く出たりする。
精力もなく なる。
心:
あまり影響を受けない。
脾:
『 脾は湿をにくむ(悪む) 』 と言い、元々乾燥を好むので、
乾燥した環境の方が調子がよい。
日本の場合は、湿気が多いため、湿による『リウマチ』・『関節炎』・『喘息』などの方が多く見受けられますが、燥による疾患は少ないようです。
しかし、この頃は建築工法も進化したため、快適な暮らしを送れるようになりました。その反面、乾燥しやすい状態にもさらされるということが考えられますので、是非ご自身の生活環境(住居・職場)をチェックしてみて下さい。