旬
最近、エンターテイメントのテレビの番組で“旬”を当てるものが放送されていますね。そもそも、“旬”とは、なんなのでしょうか。
“旬”とは、ある食材が、「他の時期に比べて、より新鮮で美味しく食べられる時期」 のことです。一般的に、種(しゅ)の繁栄のため、植物であっても子孫を残すわけです。その準備のために、栄養を体内に摂り貯めるわけですね。実に糖分などを蓄えて食べてもらい、鳥などに種を運んでもらうものもあります。植物にとっては、子孫を残していくために大切な時期。要するに、体内や実に栄養をたくさん取り込んでいる時期や成長著しい時期が“旬”といって良いでしょう。当然その時期は、その食材は数(量)が多く出回ります。
つまり、『旬を迎えた食材』は、美味しく、栄養価が高いということ。しかも、経済的なので、お財布にもやさしいってことですね。そりゃぁ、「同じ金額で、より多く買える」とか「同じ摂取量(食べる量)で、よりたくさん栄養を取り入れる」ことができれば、当然そうなりますね。
どの時期に、何が“旬”を迎える食材なのかということは他のホームページに委ねます。数多く紹介されているので、ここでは割愛させてもらいますね。キーワードを「旬 食材」や「旬の食材」と入れて検索をすれば、たくさん表示されますのであしからず。
漢方の考え方では、ヒトの臓器にも“旬”みたいなものがあります。それが四季養生に繋がってくるわけですが、春・夏・秋・冬と各季節へ遷り変わる前18日間の土用。この時期に活発になる臓器があります。また、その影響で負担がかかってくる臓器(相生の関係/相剋の関係)もあります。詳しいことは別の機会にしますが、簡単にまとめると次のようになります。
春~肝が盛んになる(脾&胃に負担をかける)
夏~心が盛んになる(肺に負担をかける)
秋~肺が盛んになる(肝に負担をかける)
冬~腎が盛んになる(心に負担をかける)
土用~脾&胃が盛んになる
※土用は、各季節の移り変わる前にそれぞれあります。
その季節に活発に働いた臓器を労わり、回復させる期間です。
例えば、秋に盛んになった“肺”を秋の土用(立冬の前 )で回復させます。
冬に盛んになる“腎”は、冬の土用(立春の前 )に回復します。
以前の投稿《2012.12.10 名古屋市緑区で雪が…冷えないようにご注意を!》で少し触れましたが、冬は、腎が盛んになるので、体内に血を引き込む作用が強くなります。そのため冬は、身体を寒さから守るための養生法が必要となってきます。その一つが食養生。《2012.12.5 冷え性の方の注意点:冷えを負担を軽くする養生》にも書きましたが、冬には身体を温める食材を用いて調理をしてください。流行りの健康法が必ずしも『あなた』にとって良いとは限りません。
では、冬の時期に摂取したい食材をいくつか例示しておきますね。まずは、地下に伸びる植物。いわゆる「根菜類」ですね。ダイコン、ゴボウ、ニンジンなど。あと、「イモ類」。サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ヤマイモ。そして、ショウガやユリネ、レンコンなども良いですね!!特にショウガは身体を温める作用が強いことで有名な食材です。
海藻類もこの時期は積極的に摂ると良い食材です。ワカメやヒジキ、コンブなど。
豆類や種実類も摂りたいですね。ダイズ、アズキ、エンドウマメ、ソラマメなど。ラッカセイやゴマも良い食材です。
Vitamin(ビタミン)のことを考えると、果物もなるべく摂りたいですね。ただ、果物は基本的には身体を冷やす作用があるので、摂りすぎは禁物です。特に、大きくて柔らかいものや南方産のもの は、この時期には避けたい食材です。木になる実を含めてここで記載しておきますが、クルミ、ナツメ、クリ、ウメ、リンゴ、モモ、キンカンなどは比較的身体を温める作用があるので、これらを摂取するようにしてください。
最後になりましたが、冬の『腎』は“黒”を司る臓器(五行色対表より)として漢方では見られています。黒色の食材は、より冬場に適した食材だと言えます。
(“肝”は青、“心”は赤、“脾(胃)”は黄、 “肺”は白)
そればかりに偏るような食生活ではいけませんが、いつもより少しだけ意識して買い物を楽しんでみてください。
皆さんがいつまでも健康であらせられますように。 それでは、ごきげんよう。