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病因 《 不内外因 》 肉体的過労

過労により虚した身体・弱くなった身体を漢方では虚労といい、金匱要略という古典書物には、虚労病という病名の分類があります。各臓器における虚労に用いる漢方の処方がそれぞれ記載されています。

特別な重労働をしなくても、普段何気なくしている行為が臓器に負担をかけている場合があります。

●行い過ぎる(活動的になり過ぎる) 
 何かを根気よく行い過ぎる。とことんやらないと気がすまない。

根気よくやればやるほど、漢方では血の陽気に負担をかけ、どんどん巡らすことになります。すると、の蓄えている血(漢方学的作用は後述します)も徐々に消耗していき、血が不足し、体がえらく(しんどく)なり、次第に無気力になってしまうと考えます。 

出来上がりを楽しみにして、こつこつ少しずつするのが健康には一番。気長にやりましょう。

●見過ぎる(目を使い過ぎる)
 長い時間目を使うと、直接に蔵している血(漢方学的に、肝臓は血を蓄え、必要な時に蓄えた血を出すという調節作用があるといわれる臓器)がなくなりなりますので、女性は生理が遅れたり、量が減少したり、血を巡らしている心(漢方学的に、血を体に巡らせる働きを持つ臓器が心臓)にも負担がかかり、めまいや動悸などが生じたりすることがあります。

血が不足しがちな産後は、特に注意が必要です。

画面の小さな物ほど目に、心(血)に負担をかけます。テレビやパソコン、携帯は程々にしましょう。

●座り過ぎる(長時間同じ姿勢をとり過ぎる①)
長い時間座り続けていると脾に負担がかかると言われています。

脾胃(漢方学的に、脾胃は食べ物から気を体内に取り込む働きを持つ臓器)の活動力が低下しおなかが空かない、胃が重い、胃が痞えることがあります。

他にも、腹部の血流が悪くなることで、痔や便秘にもなりやすくなります。適当に動き、気分転換しましょう。

●臥せ過ぎる(長時間同じ姿勢をとり過ぎる②)
 長く寝ていると肺に負担がかかると言われています。

は気の調節(漢方学的に、肺は身体に取り込まれた気を巡らし、また気の収斂(集めて内に貯め込む)も行っている)をしています。

適度に寝ているのは休養になりますが、長く休み過ぎると気が巡らなくなり、肺に気が停滞しすぎて咳が続きやすくなります。大きな声でお経をあげたり、カラオケで歌ったり、肺活量が必要なことを生活に取り入れて、肺をしっかり使いましょう。

●立ち過ぎる(長時間同じ姿勢をとり過ぎる③)
長く立ちっぱなしでいると(漢方学的に、腎臓は腹部から下の部位、骨、脳に深く関わる臓器)に負担がかかると言われています。

長く立っていると、骨に負担がかかり、下肢の陽気や血の巡りも悪くなり、足がむくみ、足腰が冷えやすくなり、腰痛や膝の痛みも生じてきます。

同じ所に立っていないといけない場合は、踵(かかと)を回すなどその場にいながらでもできる、簡単な運動でもよいので、動かすことを心がけましょう。

 

 一日中、テレビの番をしていたり、パソコン携帯ゲームをしたり、仕事同じ姿勢でいたり・・・、何気なくしている生活習慣でも、徐々に年齢とともに臓器に負担がかかっていますのでご注意ください。