脈で分かること (その3)
新生児(生後28日以内)や乳児(生後1年以内)は何故左右の脈の強さが異なるのでしょうか?
胎児の状態では、心臓・肝臓・腎臓・肺臓・脾臓・胆のう・膀胱・胃腸なども形成され成長しますが、肺(酸素)呼吸はしておらず、胃腸も活動能力がほとんど無い状態です。母体から誕生した瞬間(新生児)から肺呼吸を始め、また母乳を飲むことで脾胃も活動し始めます。
従いまして、新生児では、肺・脾胃の配当されている右手首の脈は微かにしか振れません。出産直後には母乳を飲むにもそれだけで体力が消耗する感じですが、数か月(乳児)経つと自らしっかり母乳も吸い込めるようになり、寝息や呼吸もしっかりしてきます。今、孫は8か月前ですが、しぐさや顔つきは幼児のようになってきました。
新生児から数か月すると、右の脈の左と差が縮まっていき、今日の脈では左右差はまったく感じられません。
なかなか経験する機会がありませんので、お近く(身近)に新生児や乳児がみえる方は、是非脈をみて下さい。楽しいですよ。