季節の養生 3 : 夏(昼)の養生
夏(立夏から立秋の間)の三ヶ月を、東洋医学では 蕃秀 と言います。
夏はすべての物が盛んになり、花咲き実る季節です。
夏の養生は、夜更かしをせず、朝早く起き、日の長いのに倦むことがないようにする。
精神的にはのびのびとし、肉体的には陽気を体外に泄らしてやる事が大切です。
夏はすべて発散させるようにし、鬱積することのないように気をつける事です。
このようにできれば、夏における成長を特徴とする天地の気に相応じることであって、夏の時期の養生法でもあります。
この養生法に逆らって、心をうつうつさせたり、身体に鬱熱させたりすると、夏に盛んに活動する心の蔵が傷害されて病となります。すぐ発病しなくても、秋がくるとこれが原因でおこりを生じることになります。夏に受けた傷害が元になって秋の収斂の気力が減少する結果、病が表面に出てくるのです。 と東洋医学の古典に書かれています。
夏を1日に当てはめると最も活動的に動ける真昼に相当します。真昼も夏の養生法に共通します。
昼に身体を動かしたり、温かい物を飲食し、しっかり汗をかき、充分に熱を発散しますと、夜は涼しく感じ、睡眠も熟睡でき、夏バテにもなりません。
逆に昼中クーラーの中にいて身体の熱(陽気)を発散できなかたり、体内を冷やす飲食物を多く摂取して陽気を内に引き込んでしまうと鬱熱してしまい、夜も熱く感じ、睡眠も浅くなり、疲れが残り、食欲もなくなり夏バテしてしまいます。
また最近騒がれている熱中症は、クーラー等生活環境が良くなり過ぎ、本来持っている体温調節機能が低下し、しっかり汗をかいて熱を発散する機能が低下した為です。
夏はしっかり運動をし、身体内を温める飲食物を摂取し、しっかり汗をかいて熱を発散し、自分で体温調節ができる体にしましょう。