生きた薬(生薬・薬草) その3 天然産物:流通と使用方法
生きた薬は、天然物で化学薬品のように無限に生産することはできません。生薬の栽培は一部行われていますが、漢方薬で使われる200~400種類の生薬全部を栽培することは不可能です。
数十年前まで漢方薬は、アジア地域だけで、しかも漢方専門の薬局や漢方専門医(医師)が扱うだけでした。近年では多くの西洋医が西洋薬と一緒に漢方薬のエキス散を処方するようになり、需要が拡大しました。
また製薬会社も市販薬に 『 痛みには〇〇〇製薬の〇〇湯 』 とか 『 頻尿や尿もれには漢方製剤の〇〇〇〇〇 』 とか 『 膝が痛いから太ったのか、太ったから膝が痛いのか… 』 とか、漢方薬製剤を宣伝し、同じ病名の方に同じ漢方薬を用いるという西洋医学的な考えで使用して需要がことさら拡大しています。
また、産地である中国が洪水の被害にあったり、中国の近代化が進み生薬の生産者が急速に減少していることもあり、生薬が不足気味のなったり、品質が低下しつつあります。
天然産物は、生産に限界があります。西洋医学的使用方法でなく、正統な漢方医学理論に則った使用方法に従って使用していただき、必要以上に使用しないで欲しいと願っております。
参照) 痛い場合や頻尿でも、漢方薬は一つでなく、一人一人個々の体質等により色々な漢方薬があります。
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