名古屋市緑区 漢方専門薬局

漢方専門薬局【益久薬局】

漢方専門薬局【益久薬局】ホーム

電話受付時間

9:00~17:00

日曜・祝日・木曜定休

漢方専門薬局【益久薬局】へのアクセスアクセス

益久薬局BLOG

ガンは役立たず?(Ⅲ)

 遺伝子レベルで様々なことがわかるようになってきました。SNP一塩基多型と言われる多様性を調べることで、アルコールお酒)に対する強さを知ることができたり(ALDH2)、に対する影響(薬剤代謝)を知ることができたり(CYP)もします。研究がより進めば、高度な技術が確立され、「テーラーメイド医療(オーダーメイド医療・個別化医療)」として副作用が少ない身体に負担がかかりにくい医療が樹立されていくことでしょう。まあ、本来の漢方薬は、患者さんの悩みが何に起因(どこで、なにが、どれになっているのか)していて、どうすればよいのかを考えて、自然界にあるものを調合し、適切に処方するものなので、個別化医療の源ともいえるのではないでしょうか。

 では、遺伝子とガンとの繋がりはどのようなことがあるのでしょうか?実は、身体の、というか、遺伝子の中にガン原遺伝子」と呼ばれる部位があり、何かの影響で変異が起こるとガン遺伝子」へと変化してしまいます。ウィルスにより身体の外部から持ち込まれる場合もありますが、生きていくためには自分の細胞を増殖・修復しなければならないので、増やす仕組みがなければなりません。大雑把に言うと、それがガン原遺伝子」なのです。

 何らかの影響というのは、自然に起こる突然変異であったり、紫外線や放射線の影響であったり、化学物質であったり、ウィルスであったりと原因は様々ありますが、遺伝子に影響を与えるとガンが発生することがあります。無くてはならないガン原遺伝子」ですが、成っては困る「ガン遺伝子」ということですね。自身の修復機能を高めておきたいものです。

 もちろん、ガン原遺伝子」を放置したままにしておくことはありません。のべつ幕なしに増殖させないようにするために、ガン抑制遺伝子」というものがあります。有名なものがp53RbBRCA1といったものです。それらの設計図から作られるもの(タンパク質)は、ガン抑制してくれることで有名です。p53タンパク質に異常が起こると、大腸ガン乳ガンなどに罹りやすくなることが知られており、Rbタンパク質の変異が起こると、網膜芽細胞腫骨肉腫などに罹りやすくなり、BRCA1タンパク質の変異では、家族性の乳ガン子宮ガンに罹りやすくなるそうです。

つづく)      ガンは役立たず?(Ⅱ)はこちらから。