季節の養生 2 : 春(朝)の養生
春(立春から立夏の間)の三ヶ月を、東洋医学では発陳と言います。
春は四季の始まり、万物が成長発育する季節。
冬の間(陰気の作用で内に閉じ込め貯蔵される)隠れていたすべての物が活動的になり始める時期です。自然界には陽気(めぐらし発散する活動的な気)が多くなりはじめ、外に向かって活動的になり植物では芽や花を付け、動物も冬眠から覚め活動的になりはじめる時期です。人体も陽気が体表面に多くめぐり始めますので、心身ともにのびのびと、活動的に行動することが良い時期です。
冬の養生が悪く、冬の間に気血を消耗してしまうと、春になって陽気が多くなり活動的になろうとしても気血が不足し、体がだるい・のぼせる・眠れないなどの自律神経症状を訴えたり、神経痛や皮膚病なども悪化したりします。
昔から春先は「木の芽どき」といわれ、症状が悪化しやすくなるのも冬の養生が影響します。最近では「五月病」ともいわれ、精神神経科の病症も呈します。
逆に沈み込んだ状態のままでいると、夏でも汗が少なく冷え症になります。
春は、日の入りと共に寝て日の出と共に起き、心を晴れやかにリラックスした気持ちを保ち、適度に運動をして陽気を発動してあげることが春の気に応じる方法で、最善に治療につながります。
また,陽気が活動的になり熱が停滞しない様に、春の植物や野菜を努めて取るように心がけ、春の気に応じましょう。
春を1日に当てはめると朝に相当します。太陽が昇りすべてのものが活動し始め、春の養生法に共通します。しかし、朝は活動し始めたばかりで、真昼(夏)のような活動力にはなっていません。従いまして、瞬発的に力の入る動作や過激な運動は避け(心筋梗塞・脳出血などの原因)、準備体操程度の活動にしましょう。