足腰の弱りはどこから?(Ⅱ)
運動というのは、一連の流れで成り立っているということは前回お話したとおりです。脳で特に運動に大きく関与している部分は、中脳や小脳ですね。もちろん視覚なども関わってきますが、それらを含めると結局『脳全体』ということになってしまうので、この場では、「運動機能の調節に働く(重要な)中脳」、「運動の調節や平衡感覚に働く(重要な)小脳」ということにさせてください。
これら中脳・小脳(中枢神経に所属)が指令役となり、全身の筋肉や骨格を動かし、“運動”することができるようになるわけです。その指令を伝達してくれる飛脚(末梢神経)が「運動神経(体性神経に所属)」というわけですね。
大まかな話はこれくらいにして、最近話題の『ロコモティブシンドローム』(ロコモ)について、改めて見ていきましょう。
まず、ロコモティブシンドロームが発症するまでに何が自分の身体の中で起こってしまっているのでしょうか。
多くの場合、関節部分に存在する「軟骨」組織が変性してしまっていると言われています。硬い骨と骨が直接擦り合うとイタイですよね?ゲンコツ同士をガンガン当てているのと変わらない状態ですから。軟骨は関節の先端部分にくっついていて、スポンジのようにクッションとして働いてくれます。これが磨り減ったり、変形してしまっていたりすると、動くたびに“骨”同士がガチガチ当たるので、痛くてたまりません。当然、動けなく、というか、動きたくなくなります。
これが【変形性関節症】といわれるものです。動きたくなくなれば、当然その近くにある筋肉も使われなくなりますので、周辺の筋力がゴソッと落ちていってしまうことになります。動かざるを得ない際に余計に関節へ負担をかける結果となり、変形性関節症を悪化させるという悪循環に陥ってしまいますね。腰(背骨)にある椎間板で変形性関節症が起きてしまうと、腰痛・背骨の変形・動きの大幅な制限に繋がり、全身へ様々な症状を引き起こしてしまう可能性が高まってしまいます。
兎に角、ロコモティブシンドロームの原因となる危険性が高い『骨粗鬆症』・『股関節症』・『膝関節症』・『(腰椎)圧迫骨折』・『大腿骨頚部骨折』などの症状に該当したり気になりだしたら、【要注意!!】ですね。腰椎は《中枢神経》が通っているので、そこに何かあれば相当活動に制限がかけられてしまうことになってしまいます。そうならないように日頃のケアを心がけましょう。