病因 《 外因 》 : 寒
自然環境の風・寒・暑・湿・燥・火や細菌・ウイルスでも病気の原因になります。
ただし、“寒”にあたっても全員が発病するとは限りません。
寒が侵入して寒邪となり、症状として現れてくるのには、五臓の何処かに“虚”があるからです。また症状の出方も“虚”の場所や状態により色々変わります。
寒とは、冷えや寒さの事です。
ファッションを気にして薄着で生活したり、寒い所で仕事をしたり、室温と外気温に差がありすぎたりして、外から寒邪が侵入する場合と、
冷蔵庫の冷えた物を火にかけず直接飲んだり食べたり、体を冷やす夏の食べ物や日本にない南国の物を飲食し、体の内側から直接寒邪を侵入させている場合も多くあります。
外から寒邪を受けた場合、最も影響を受けやすいのは肺で、直接内から寒邪を受けた場合は、脾や腎が影響を受けやすいようです。
肺:
体表面を温めるために、体をブルブル痙攣させ悪寒がしてから発熱し、流感・風邪症状を呈します。“風”が侵入した時より激しい症状がでます。(傷寒)
脾:
食欲がなくなる。下痢。口中に唾液が多くなる。手足が冷える。
腎:
下痢。腰が冷える。腰重だるくなる。夜間尿。冷え込み状態。(中寒)
肝:
肩が動かしにくくなる。ため息をつく。胸中の痛み。かなしばり。
心:
狭心症。胸痛。胸苦しい。
現代は、生活環境が贅沢になり、寒が最も厳しい冬でも室内を温めますよね。それに伴って空気が乾燥しますので、口が乾き冷蔵庫で冷やした冷たい飲料水を飲んだり、アイスクリームやヨーグルトを食べたりして、身体に負担をかけるハメになってしまいます。これが当たり前の若者は、『弱い身体』にしてしまう傾向にあります。長生きをされているお年寄りは、若い頃の生活環境に近い状態で生活されていますので、お年寄りの生活を参考になさっては如何でしょうか。
ちなみに昭和20年代の暖房は『ヒバチ』と『コタツ』、着るものとしては『チャンチャンコ』を着用して防寒し、焼き芋で体の芯から温めていました。