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病因 《 不内外因 》 食習慣 1 : 味の片寄り について

 味には、『酸っぱい()・苦い()・甘い()・辛い()・塩辛い()』の5つの味(五味)があり、漢方では五味が五臓(脾胃に深く関係します。適量の摂取であればその臓を活性化でき、不足したり過剰になればその関係する臓に悪影響を与えるとされます。

酸味の飲食物: 梅・ダイダイ・レモン・スモモ・ザクロ・イチゴ・ブドウ・ミカン・キンカン・酢 など
 酸味は、物を収斂(外に巡らさず内に引き込む)する作用があります。漢方的には肝の血を収斂して蔵する作用が活性化します。「生活養生 1 : 肉体的過労について」でも少し述べましたが、目の使い過ぎなどでに蔵すべき血が不足している方は、適度に酸味を摂取することで血をに引き込むことができるようになります。そのため、で血を貯蔵でき、また弱りを補う事ができるのです。の動きの悪い(胃の陽気が少なく活発に動かない)方は、酸味を少し控えた方がよい(胃の活動力が更に低下してしまいます)。酸味を過食しすぎると、収斂しすぎて発散が妨げられるために必要な筋肉などへ血が充分巡らなくなり、筋肉の障害(こわばりや肉離れなど)などを生じやすくなります。

苦味の飲食物 : ピーマン・ニラ・フキ・セロリ・パセリ・ウド・ツクシ・コーヒー・グレープフルーツ など
 苦味は、ゆるみを引き締める作用や熱を取る(泄らす)作用があります。漢方的には、血脈の陽気を補い血脈を引き締めたり血にこもった熱を取ったりします。に熱が多いために異常なほど食欲大盛な場合は、熱が取れることによって食欲が正常になります。逆にが冷えて動きの悪い方が苦味の飲食物を多く摂取してしまうと、余計にから熱が奪われてしまい、ますます食欲がなくなりますので避けた方が賢明です。

甘味の飲食物 :  肉類・魚介類・米・豆腐・オクラ・ジャガイモ・山芋・タケノコ・大根・キャベツ・シイタケ・柿・イチジク・梨・スイカ・バナナ・砂糖 など
 甘味は、ゆるめる作用と物(気や血や水=津液)を増やす作用があります。漢方的には脾胃を補い物を作りやすくしてくれます。疲労した時に最高です。甘い物を少し取ると不足したなどが補われ、筋肉のつっぱりや硬さがゆるみ疲れた体がシャキッとします。しかし、甘味を過剰に取り過ぎると、消費しきれない物が増えますので、たるみすぎてムクミが生じたり体が重くだるくなったりします。また、水分代謝をつかさどり固める作用のあるが弱っている場合に甘味を取り過ぎると水肥りになります。また、の陽気が少なく活動力の鈍い方は、甘味を取ると筋肉がたるみ消化機能が落ちたりの中に水が増えてチャボチャボしたりします。の弱い方で疲れた時の甘味の取り方は非常に難しいので、注意が必要です。漢方に精通している先生にご相談ください。出来るだけ砂糖の甘味は避けデンプン質の甘味をお薦めします。

辛味の飲食物 : 生姜・山椒・コショウ・ネギ・ワサビ・シソ・ニンニク・トウガラシ・お酒 など
 辛味には、陽気を増やし、温め、巡らし、発散させるものが多くあります。漢方的には、胃を温め肺の陽気を巡らす作用を助けます。お寿司屋さんがガリ(ひね生姜)を必ず添えるのには、いくつか理由があります。もちろん、次のネタを純粋に楽しむため、口に残った臭みを消すという効果もあるでしょう。その他にも、生魚でが冷えてしまうと、せっかく美味しく提供しているニギリが冷えのせいで食欲まで低下させてしまいます。食べて頂く量が少なくなってしまっては、十分に満足してもらえず困ってしまいますよね。ですから、生姜でを温め食欲が落ちない様にガリをお出ししているということもあるでしょう。
 また、インド人は熱(陽気)を発散させる為に、カレーを食べて『汗をかく』事で体表面で放熱する(気化熱で熱を逃がす)ことを生活の知恵で習得していて、習慣になっているのです。日差しが強く暑い地域でも、涼しげに暮らす生活養生を心得ているわけです。には大いに汗をかき内に熱がこもらない様にする事が大変よい事なのですが、に汗をかいてまで激辛の食事をてしまうと、必要な陽気までが汗と共に発散されてしまい、逆に身体が冷えてしまう事があります。自然と調和して生活する必要がありますので、季節も考え、過食度が過ぎる辛味避けてください。(參照:季節の養生 1:冬(夜)の養生

鹹味の飲食物 : 漬物・塩・しょうゆ・みそ・黒豆・栗 など
  塩辛味の味の事です。鹹味は水分をいっぱいに含んでしまっていて、はちきれそうな物から水を抜いて和らげ周囲を潤す作用があります。漢方的には、水を主る腎に関係します。
 ナメクジに塩をかけたり、青菜に塩をかけたりすると、水が抜けてやわらくなり小さくしぼみますよね。鹹味を多く取り過ぎると、水の必要な所に水の不足(津液不足)を引き起こし、口が渇き、腎に負担がかかり、血流も悪くなり、高血圧にもなりやくなるという悪循環にはまりやすくなりますので、過食にはご注意下さい。